住宅を新築されるお客様からの依頼で建築中の現場を確認する業務をしています。
新築中に基礎配筋時・上棟後・断熱材施工後・外周(足場が外される前)・完成時の計5回が一般的です。
この仕事を始めて15年目に入りますが、この間施工精度が進化している工務店・ハウスメーカーもあれば、旧態依然として進化していない工務店・ハウスメーカーもあります。
特に最近は人手不足で有能な職人さんや現場監督さんが流出しており、絶対数の不足に加え能力的に不足していると思われる現場も多く見られるようになってきています。
例えばサッシ回りの防水テープは貼り方がマニュアルで定められているのですが、間違った貼り方をしている。このような細かな箇所は一般の施主様がご覧になってもわかりませんから、弊社から問い合わせることになります。
(防水テープはまずサッシの縦枠に沿って貼ります。その後上の横枠に沿って貼りますが、このときに先貼りした縦のテープのてっぺんは横のテープの中に隠れるように貼らなければなりません。横のテープを突き抜けて上に出てしまうと、その交点から雨水が浸入するからです。詳しくは「防水テープ 貼り方」で検索していただければ多くの画像が出てきます。)
しかし本来の貼り方を理解していないので、問い合わせている内容自体が理解できない監督さんが増えているのです。
知らないことを知らないと素直に言うのなら良いのですが、それが間違っていること自体がわからないので始末が悪い。メーカーのマニュアルを出してきて説明してあげなければなりません。
先日などは「防水テープの上には防水紙が貼ってあるから雨水は入らないでしょう。」とおっしゃる。水はわずか0.1㎜の隙間からでも浸入することをご存じないのでしょうか?また防水紙があれば絶対水が浸入しないと安易に思い込んでいる。
防水テープの貼り方は、完成後の雨漏れリスクに影響するので特に現場監督さんは理解しておき、職人さんが間違っていたら修正を指示しなければならないはずです。
残念ながら本当に最近はこのような基本的なところに問題がある住宅が増えているので、今から新築される方は毎日現場を確認していただきたいと思います。