自宅を売却する際には、少しでも高く有利な条件で売りたいと考えるのが売主の立場だと思いますし、それを否定するものではありません。
しかしそれが行き過ぎて瑕疵(かし:隠れた欠陥)があることを知っているにもかかわらず、「瑕疵は知らない。」と告げる売主もいますし、そこまで重要ではないにしろ買主に不利な情報を提供しない売主もいます。
そのようなことがないように住宅に関して建築的な側面から診断し報告するのがホームインスペクション(宅建業法では建物状況調査といいます)です。
弊社がホームインスペクションをしている中、前述のような売主ではなく、逆の姿勢の売主さんに遭遇するのも事実で救われる気がします。
ホームインスペクションを売主が費用負担をして実施し、それほど重要な箇所でなくても「買主さんが気持ちよく住むことができるように、私(売主)の方で手直ししますよ。」という売主もいらっしゃいます。
かなり以前に書いたことがありますが、私の知人で独立開業した苦しい時代から住んでいた自宅を売却した際に、買主としてやはりこれから独立開業しようという若い人が現れた。
売買価格を決める時に値引きはしなかったけど、お金のない買主を見ているうちに自分が苦労した時代を思い出し、壁紙の張替費用とエアコン1台を付けてあげたという売主もいました。
自宅は他の不動産と違って自分が生きた足跡でもあります。単に売った買ったというだけではなく、買主は自分の人生を継承してくれる人だという思いもあってよいのではないかと思います。
住宅を購入する際は内覧する際に、売主がどのような人なのか?そのあたりも観察してみると良いと思います。