高度技能保有者以外の外国人労働者の受け入れについて国会で議論が始まろうとしており、建設業界では最大4万人の受け入れを想定しているとのことです。
法案の是非は別として、すでに建築現場では大手ハウスメーカーの現場でも多数の外国人が働いているのを見かけます。個人的な印象では中近東の人が多いようです。
この状況について、住宅を新築するお客様からの依頼で建築現場の第三者検査に行く弊社の立場からお話すると・・・
日本人の監理建築士の下、日本人現場監督の指示で日本人職人さんが施工している現場でも、大手・地元工務店に関らずそれなりの手直しの指摘が出ます。
過去に基礎コンクリート打設工事で職人さんは全員外国人、現場監督は日本人ですが他の現場に行っており不在で現場は職人さん任せ。もちろん監理業務をするべき建築士さんは不在という大手ハウスメーカーの現場に遭遇しました。
コンクリート打設にはバイブレーターを使用せず他の対策もしていませんでした。
急ぎ現場監督を呼び出して何とか対策をしましたが、弊社が見ていなかったらとんでもない基礎ができるところでした。
何しろ「バイブレーターは使わないのですか?」という日本語や英語が通じないのです。
日本人職人の現場でさえいろいろな指摘が出る建築現場で、外国人職人を受け入れて本当に大丈夫でしょうか?
もちろん即戦力として働くのは無理だと思いますので、一定期間の研修・指導が必要でしょう。しかし現在検討されている法案では滞在は原則最長5年間となっている中で、長期間を研修に割くことはコストが合わないと思います。
日本人が長期間かかって学ぶことを、外国人が1年程度で学んで現場に活かすことができれば別ですが。
ということで建築現場は他の業種と異なり目に見えない現場作業が多く、何か問題があったとしても完成後時間が経過した後に発覚することが多いので、外国人の受け入れには十分な注意が必要だと考えます。
注文で住宅を新築される方は、依頼するハウスメーカー・工務店に外国人労働者の使用の有無や研修体制がどうなっているのか、事前に確認する必要があります。