愛知県弁護士会主催、名古屋市共催の『空き家シンポジウム』に行ってきました。今回は受講者としての参加です。
パネルディスカッションには名古屋市中川区出身の女優いとうまいこさんが登場。単に名古屋市出身だからというのではなく、ご実家が空き家になってしまいお困りになった経験があるということで、その経験談をお話しされる役目でした。
10代で人気女優となったいとうさんは、ご本人の表現を借りると「当時は睡眠時間2~3時間で洗濯も風呂に入る時間もないくらい働いて、今でいうブラック企業に就職したわけです。」
見かねたお母様が上京して,身の回りの世話をしていたそうですが、名古屋に単身残されたお父様も仕事を東京にシフトして上京。二人のお兄様も東京とアメリカに就職していたので実家は空き家になってしまった。
売却の話も出たけれど、お母様が生まれ育った町内のため分切ることができず、20年以上空き家になってしまったそうです。(写真も見せていただきましたが豪邸です)
結局最近売却できたそうですが、そこまでの維持管理のご苦労は大変なものだったようです。
最近私が空き家セミナーでお話するのは、「空き家発生の原因は人口減少ではなく単身世帯化にある。」ということです。
子供が東京の大学に行き、そのまま企業に就職してしまって実家に戻らなくなります。
実家に残された両親は年齢とともにお亡くなり2人世帯から単身世帯に、そして空き家になるのです。
いとうさんの場合は両親も上京したために空き家になるのが早まったのです。(この場合は単身世帯化ではありませんね)
空き家をこれ以上作らないためには、世帯に多くの家族が住み続けることが必要です。
しかしこれは即効性がありません。今から30年以上かかって講じる対策です。それほどこの問題は根深い問題で容易に解決できないのです。
どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?