昨日「住宅の耐震性の確保のために金物が使用されているけど、規定通りに施工されていない現場も多い。」と書いたところ、表題のような質問をいただきました。
住宅は設計図やマニュアル通りに施工されていると信じていらっしゃる方からすると当然の質問です。
理屈を言っても仕方がないので、実例でお示しするのが一番でしょう。
この週末3連休に、お客様からの依頼で新築中の住宅の上棟検査(一般的に中間検査と言われ、建物が建ち上がって棟が乗り金物を設置した状態で行う検査)を2棟やってきました。
両方合わせて金物に関する指摘が複数出ました。
1.梁のボルトのネジが完全に締まっていません。(複数)
2.筋違い金物のビスが2本途中です。
3.筋違い金物のビスが1本不足しています。
4.床の釘打ちが1列ありません。(複数)
5.筋違いと間柱の交点に釘打ちがありません。(複数)
6.柱留めの金物がありません。
一点一点は細かなことですが、地震の揺れはとんでもない揺れで、金物や釘がないところに集中して力がかかることで柱や梁を振り切ってしまい最悪の場合倒壊に至ってしまいます。
設計図は所定の耐震性を満たして設計されていますが、現場でこのような施工があれば何の意味もありません。
この週末だけでもこの有様ですから、他の現場も推して知るべしです。おわかりいただけたでしょうか?
ちなみに2棟ともテレビコマーショルを流している誰でもご存知の会社です。知名度と住宅の品質は無関係という教訓でもあります。