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リーマンショック前後に考えていたこと・住宅ローン

9月15日はリーマンショック勃発から10年だそうです。

リーマンと言っていますが、実態は信用力の低い人に貸し付けるサブプライムローンが証券化され世界中の投資家・金融機関に販売されていたために、影響が世界に広まって大きな経済的ダメージを与え、破たんした元締めがリーマンブラザーズだったことからそう言われています。

その前後、私は日本において適切な住宅ローンを利用者に仲介する仕事ができないものかと試行錯誤していました。

日本の住宅ローンの利用者は、不動産会社やハウスメーカーが紹介する金融機関で借り入れることが多く、考えようによっては利益相反行為ともとられかねない状態です。

そのため返せる額ではなく借りられる額を借り入れてしまうのが実情です。

このことを重視した国土交通省は、適切な住宅ローンの提案ができる人たちの育成をしようと「住宅ローンアドバイザー資格」を立ち上げ、指定団体が養成講座を開催していました。

私もある不動産団体の養成講座の講師を7年程務めさせていただきました。

しかしそれでもアドバイザーの多くは不動産会社やハウスメーカーの社員さんが多く、目的を達成するには十分ではありませんでした。

そこで日本においてもアメリカのモーゲージブローカー(以後MB。住宅ローンの仲介人)制度ができないものかと模索していたのです。

そんな中、縁あって2007年にカルフォルニア州のモーゲージブローカーの大会に出席することができました。

大会終了後の夕食会では、アメリカのモーゲージブローカーも日本で仕事をしたいので市場を開放しないかという意見が出ました。

日本においては貸金業法によってMBのような仕事はできないし、金融庁という権力を持った官庁がそれを許さないと回答したところ、それなら政治課題として市場開放の一項目に入れさせようという話になり、その場にいた民主党・共和党の議員まで巻き込んで盛り上がったものです。

この件は全米の議題として取り上げられ、2008年秋の全米大会で協定することになりました。

とそのときリーマンショックに見舞われたのです。

結果、ラスベガスで開催された全米のMB大会にはかろうじて出席できたものの(来ても混乱していて無駄ですよと言われました)、彼らに日本のことを議論する余裕はなく、単なる表敬訪問に終わってしまいました。

MBの中にも不届きな人がいて、サブプライムローンを提案して借りさせていた結果、表舞台に出てくることができなくなった人もいると聞きました。日頃は弁護士並みの権威があるMBも絶対信用できる訳ではないということです。

日本における適正な住宅ローンの提案者の育成は、その後諸問題があって進んでいませんが、制度としてそのような資格者を育成しないと住宅ローンの借り手は、いつまで経っても無理な額のローンを借りることになるのです。

そんな訳で私にとってリーマンショックは経済的というより精神的に辛い思い出として残っているのです。