ここのところ住宅の耐震性に関するお問い合わせが増えています。新築住宅も既存住宅も、あるいは工場や倉庫の耐震性についての問い合わせもあります。
本当に耐震性能が高い住宅を希望されるなら、次のポイントに注意する必要があります。
1.設計が想定する耐震性能を満たしているか?
これはおおよそ問題ないとは思いますが、木造の2階建て住宅などは構造計算をしなくても良いことになっているので中には危うい設計もあります。
確実にするなら構造計算をするか、住宅性能表示制度を利用して耐震等級を指定することをお勧めします。耐震等級3が最も高い数値です。
2.設計図通りに施工しているか?
お問い合わせは「耐震性能があるかどうか設計図を見てほしい。」というものがほとんどですが、私の立場から言うと「そんなことより設計図通り現場が施工されているかをチェックする方が重要だと思います。」となります。
多くの人は住宅は設計図通りに施工されていると誤解していると思いますが、現場を見ている立場から言うと「設計図通りできている住宅の方が少ない。」ということになります。
せっかく図面が高い耐震性能になっていても、完成した住宅がそうなっていないとなれば、設計図のチェックは無駄になってしまいます。
この点ご理解いただけない方が多いのです。
3.完成後のメンテナンスで耐震性は変わる
設計図も施工も完璧にできているので耐震性能も完璧とお考えの方が多いと思いますが、震災後の現場検証で被害を受けた建物を見ると・・・
①設計上耐震性能が低かった。
②手抜き工事であった。
これらの原因で倒壊した建物の他に・・・
③シロアリ被害を放置していた。(床下の湿気)
④柱・梁のたわみを放置していた。
などメンテナンスをきちんとしていなかった建物が被災しているのです。
ということで、本当に耐震性能の高い住宅を希望されるのなら、上記3点をすべて確認・実施することが必要です。
住宅相談センター