この連休中、住宅展示場などで相談会の相談員を担当し、何組かの相談を受けてきました。私の担当はおもに土地探しの相談でしたが、相談者に共通しているのは「土地が見つからない。」というものでした。
もう少し聴いてみると「良い土地があっても価格的に手が届かない。」「予算に合った土地は変な土地ばかり。」ということに行き着きました。
いずれの相談者も決して予算がない訳ではありません。1年前なら十分と言えるほどの予算で検討している人です。
つまり土地価格が一般の人の手が届かないほど高騰しているということです。
こういう事態は過去にもありました。と言ってもみなさんはお分かりにならないかもしれませんが、あるいは生まれていない人もいるでしょうが、いわゆるバブル経済のときです。そう1985年から1990年までの地価と株価の高騰時代です。
急激な地価高騰で一般市民は永遠に住宅を購入できなくなるのではと危惧され、NHKが特番で取り上げたほど異常な高騰でした。
結局その後のバブル崩壊と低金利政策で「永遠に住宅を購入できない」状態は解消しましたが、バブル期間中に住宅(不動産)を購入した人(法人)は、地価下落による資産価値の低下の後遺症に悩むことになったのです。(現在も少しは残っています)
それを間近で見ていた者として、今の状況で土地取得を勧めることが果たして正しいことなのか悩むところです。
バブル期の地価高騰はNHK取り上げるほどの社会問題でしたが、今回の高騰は静かな高騰なので、それほど騒がれてはいません。それだけに一般の相談者にも知られていないので、こういう機会にでも書いておかないといけないと思い取り上げた次第です。